Workers' Alpine Club of Mishima

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雪の奥穂高岳を楽しむ

初日の夜は小雨が降っていましたが、天気予報では2日目後半ごろから回復するようだったので、せめて奥穂高岳の山頂だけでも晴れてくれ〜という願いとともに上高地へ向かうことになりました。しかし、岩見平の駐車場に到着した時には次第に雲間から薄日が差し込み始め、上高地から徳沢・明神・横尾と歩くうちに山々が雲間から顔を出してきたので、これは爽快な雪山歩行ができそうだと期待感で一杯になりました。

登山開始 屏風岩

結局このあとの天候は最終日まで雲ひとつない快晴で、周囲の輝かんばかりの白銀世界を1つ1つ目に焼き付けながら、また時には景色に目を奪われて足をもつらせながら、涸沢ヒュッテ(のビール)を目指しました。途中で雪解けの川近くをしばらく歩きましたが、自分は雪景色や屏風岩ばかりに見とれ、雪屁が崩れることなど全く頭にありませんでした。

雪道 雪化粧

寝不足気味で薄れる意識の中、ようやくヒュッテに到着すると、大きな鯉のぼりが自分達を迎えてくれました。ここまで同行していた北尾根隊といっしょにテラスへ集合して、ビールジョッキで乾杯、その後すぐに飲み会へ突入することになりました。Nさんからは、四次元リュックでも持っているかのように様々な酒を振舞っていただきました。高価な芋焼酎を惜しげもなくビールに注いだ“ビー酎”(?)は、これまで2杯目以降のビールをあまり美味しく飲めていなかった自分にとっては、大変まろやかで美味しい体験でした。

鯉のぼり 飲み会

それからは北尾根隊と分かれて、夕食までヒュッテ内の個室で一休みすることになりました。自分は“寝不足”+“雪道”+“ビー酎”という条件が重なったためか、掛け布団もせずに寝てしまい少し寝冷えをしましたが、ヒュッテの食事というものに大きな期待を抱きつつ食堂へ向かいました。食堂は木の質感を生かした大変雰囲気のある作りになっていて、窓からは風景画のように映し出された山々を眺めることができ、まるでディナーショーのようでした。食事中ふとNさんが、あの逞しい太ももはダンプさんでは?と、横のテーブルで接待を受けていたカモシカスポーツ社長の高橋和之さんを見つけてくれました。豪華な夕食の後は、余裕のある個室で広々とした夜を過ごせました。

テラスより 食堂

3日はいよいよ奥穂高岳にチャレンジです。アイゼンの紐が緩んでいないかを確認した後、穂高岳山荘から見える滑り台のような雪渓を、一歩一歩確かめながら進んで行きました。登り始めの岩場をアイゼンで進むのにはかなり閉口しましたが、雪渓は足跡が残っていたため歩きやすかったです。山頂への道のりは前日よく眠ったせいか、横尾から涸沢までの登りに比べてそれほど疲れを感じませんでした。相変わらずの快晴で、日本第三位の標高から見る眺めは最高でした。槍ヶ岳はもちろん、富士山も雲間から頭を出していて、浅間山は噴火の煙をしっかりと確認することができました。上高地は下界に広がる箱庭のようでした。360度の絶景をかみしめていると、東京方面から単独で来ている方が、あれは何山、これは何山と教えてくれ、Iさんへサッと名刺を差し出しました。見ると甲武信ガ岳方面の山小屋助っ人No.7という肩書きの方らしく、さすが慣れた人はこういうものを作っているものなんだな〜と感心しました。またこの時、岐阜県山岳救助隊も登ってきていました。

前穂の勇姿 穂高岳山荘

そのあとグリセードや尻制動を駆使して(自分だけアイゼンで慎重に・・・)下山し、今度は涸沢小屋のテラスで飲み会に突入。次第に小屋の影が落ちて他のお客さんがいなくなっていく中、夕食間近までいろんな話で盛り上がりました。この時Iさんが提案した“月明かりのナイトハイク”は、幻想的かつ好奇心をかきたてられるようで、一度やってみると面白いのではないかと感じました。涸沢小屋には労山カードでチェックインしたため、宿泊費の割引がされて大変お徳でした。また他の団体とは別部屋にしてもらうことができ、このカードの威力を思い知ることとなりました。この夜は北尾根隊との連絡が取れずに一喜一憂しましたが、8時ごろにようやく穂高岳山荘にいることが分かり、ホッとしました。自分がこういう状況になった場合には、他の方に心配をかけないためにも、連絡を忘れないよう心掛けたいと改めて感じました。

グリセード 涸沢小屋

最終日は、車の渋滞を避けるために早めの出発となりました。雪の歩きにも慣れ、酒やツマミ、非常食のすっかり無くなった荷物のおかげで、下山の足取りは大変スムーズでした。上高地ではビジターセンターに初めて立ち寄りましたが、立派な建物の中に展示された写真などを見て、確かにこういう景色だったな〜としばらく感慨にふけっていました。

朝焼け 本谷橋

上高地を出てから滝島温泉の村営浴場に立ち寄り、3日間の汗を一気に流しました。泉質は無色透明ですが、ヌルヌル度が非常に高くリラックスできる、大変良いお湯でした。帰りの高速道路では八ヶ岳などの山々を遠くから眺めつつ、Mさん所有の山の歌CDで『穂高よさらば』を心の中で復唱しながら、と最後の最後まで山を満喫したGWになりました。

横尾大橋 ニリンソウ

最後に、リーダーのIさん本当にご苦労さまでした。

奥穂登頂

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