Workers' Alpine Club of Mishima

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冬山合宿 鳳凰三山

ガツン!!、あっ又底がぶつかった、と悪路の林道を走り車は御座石鉱泉を目指しのろのろ進んだ。直前参加できなくなった人があり、今回は7人のパーティになった。7人乗りのオデッセイに人と荷物をぎゅう詰め、車が沈みがちなのも無理ない。御座石鉱泉駐車場から山へ入るとすぐにジグザグの急登、しかし落ち葉が積もっていて歩きやすい。しばらく行くと落ち葉の下が凍っていてすべるようになった。雪も深くなってキックステップで進む。幸いトレースがついているので助かる。ずっと続く急登と深くなる雪に平均年齢60歳のパーティはややペースダウン。燕頭山へ到着。ベンチと大きな標識があり適当な広さである。

ピーク写真 ピーク写真

ここで昼食をとり出発時にアイゼンをつけた。登山道は尾根をトラバースして右側が足下からきれ落ちた崖である。こういう場所はたったの1歩が大事故になりかねない。細心の注意でトレースどうりに歩かないと危険。バランスを崩さないようにピッケルをつかいながら慎重に通過した。山側から雪崩があればひとたまりも無い道だった。雪の少ない時期だから良かったが、積雪の多い時は確実に尾根筋(冬道)を辿ったほうがよさそうだ。緊張ばかりの道でなく、所々で八ヶ岳、浅間山、北アルプスが見られ、甲斐駒ヶ岳も登るにつれて近くなってくる。やがて牛首の鎖場を通る。木階段の下は凍りついた谷、コチコチに凍ったこの場所も時として小雪崩が発生するとの事。アイゼンをつけて長時間歩くと足かせをつけられた囚人の気分である。ああ重いと思う頃鳳凰小屋が見えてきた。樹林に埋まるように建つ古い山小屋だ。土間が凍りついて、薪ストーブが一つ。靴を脱いでから暖を取るのはストーブからでたおき火を入れたやぐら炬燵のみ。カーテンの無いガラス窓から冷気が入り、皆の口元から白い息が煙のよう。それでもやっと自家発電で電器がついてほっとした。外のトイレははっきり言って汚い。目をそむけて用をたす。凍る冬場でなかったら臭気がたまらないだろう。その夜はアルパインツアー客7名とほかに2名の男性客があった。

1月1日 アルパインツアーの出発した後から私たちも小屋を出る。今日は地蔵岳、観音岳、薬師岳ピストンなので気持は楽で時間に余裕がある。小屋前の樹林帯は1mの雪、地蔵岳までの登りは急でジグザグにコースを取るものの朝一の身体にきつい。厚着をして出発した人はすぐに1枚脱ぐ事になった。スキー場の斜面にしても結構な角度と思われるところを上り詰めると賽の河原に着く。地蔵岳オベリスクの下から少し左へ回り込むと目前に甲斐駒ケ岳、仙丈岳、アサヨ峰が迫っている。白く雪をかぶった峰々は人から言葉を奪ってしまうのか ただ見入ってしまった。白い峰から発せられるオーラは登山者を虜にしてしまうのだ。

赤岳、阿弥陀岳 赤岳、阿弥陀岳

やがて赤沢の頭に立つ。この稜線で強風を覚悟していたのに微風すらなく顔を外気にさらし思う存分展望を楽しんだ。

硫黄岳〜阿弥陀岳写真 赤岩の頭写真〜硫黄岳

観音岳、薬師岳と登るが冬山と思えない暖かさで岩にもたれて太陽の光を浴び日向ぼっこの休憩はまさに極楽、ゴクラク。薬師岳山頂の写真の主役は人でなく谷を隔てた白峰三山(北岳・間の岳・農取岳)だった。帰りに再び、地蔵岳に寄ってアイゼンを外し、オベリスクの基部へよじ登るが北側の岩場が凍結と雪の為途中で断念する。

硫黄岳の絶壁 硫黄岳の絶壁

1月2日・朝から小雪がちらつく中下山する。トレースはしっかり付いているので問題は無い。下りは滑らないように慎重に下る。御座石鉱泉の近くまでアイゼンはつけっぱなしだった。疲れるにつれ足が上がらなくなり、根や岩に爪を引っ掛ける事が多くなった。膝から上げるように心がけて無事駐車場に到着した。御座石鉱泉の飼い犬が尻尾を振って出迎えてくれた。今回の冬山合宿では鳳凰三山から広大な雪景色を望み、雪山登山の楽しさを味わう事が出来た。雪の少ないこの時期に天候に恵まれハッピーな登山に繋がったが、もっと雪積が多くなり入り込む人の少ない時期は、鳳凰小屋までの道のりは大変なものになりそうだ。付け加えると、鳳凰小屋の僕ちゃん(こう呼ばないと返事をしてくれない)ことK管理人との炬燵を囲んでの楽しい団欒も印象深いものとなった。そして元旦に出してくれた「うなぎ丼」はとても美味しかった。

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